
ウォーミングアップとかクールダウンっていつもしてるけど効果とかあんまりわかってないな~

じゃあ今日はこれらについて解説していくよ!

おぉ~!助かります!
ウォーミングアップ・クールダウンとは
【ウォーミングアップ】
運動を安全に実施するための準備体操のこと
【クールダウン】
運動を安全に終了するための整理体操のこと
ウォーミングアップの機序と効果

作用機序と効果
効果は各臓器で見られます。ここでは肺、心臓、血管、筋に分けて解説します。
肺
静脈還流量の増加により肺循環量が増加することで換気血流比不均等が改善されます。これにより生理学的死腔が減少して、運動早期の過換気が抑制されることで酸素摂取量が改善されます。
心臓
心筋虚血と左室収縮能低下を防ぐことが示されてます。
Effect of warm-up on left ventricular response to sudden strenuous exercise
血管
運動に伴い働く筋群の血管拡張を促進することで、血管抵抗の減少から後負荷を減少させます。特に重度の糖尿病患者や重症心不全患者は血管拡張に時間を要することが知られています。
筋
筋・間接結合組織の伸展性を高めて、関節可動域を改善して、骨格筋の傷害予防をもたらします。運動直後は筋内のATP分解とATP-PCr系によりエネルギー産生が生じて解糖系を経て有酸素系へと移行します。ウォーミングアップはこの移行をスムーズに行うことができます。なので解糖系で生じであろう過剰な乳酸の産生を抑制して、換気増大やカテコラミンの過剰分泌を抑制することができます。
クールダウンの機序と効果

クールダウンも同様に効果は各臓器で見られます。心臓、自律神経系、筋に分けて解説します。
作用機序と効果
心臓
急激な運動終了による静脈還流量の減少と防ぐことで心拍出量・冠血流量の低下を防ぎ、低血圧書状やめまい、心筋虚血による重篤な不整脈を防ぎます。
自律神経系
ゆっくり負荷を落としていくことで交感神経の緊張を緩徐に落ち着かせていきます。これにより血管迷走神経反射を抑制することで、急激な徐脈とそれに伴う血圧低下、めまい、ふらつき、激しい倦怠感等を防ぐことができます。
他にも体温の低下や乳酸の緩衝することで、カテコラミンの過剰分泌を防ぐことで重篤な不整脈の出現も予防することができます。とくにクールダウン中は不整脈が出現しやすいため2分間は時間を設けた方が良いとされてます。
Ischemic response to sudden strenuous exercise in healthy men
オススメのウォーミングアップ・クールダウン
順天堂大学がYoutubeにわかりやすい動画を載せていたのでこちらを参考にしていただくのが良いかと思います。
最後に
ウォーミングアップは、心筋虚血や重症心不全の患者さんには低強度かつ健常人よりも長め(3分ほど)で行うことで運動早期の過換気や呼吸困難感、重篤な不整脈の出現を防ぐことができます。
クールダウンは、2分以上3分近く行うことで静脈還流量の急激な減少や心拍出量・冠血流量の低下、血管迷走神経反射を防ぐことができます。
適切なウォーミングアップとクールダウンを行うことで安全かつ効果的に負荷をかけていくことができるので、その点を考慮して患者さんに指導してみましょう。


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