心臓リハビリテーション指導士の取得方法を完全解説。受験資格の「4つの壁」、最難関の「10症例報告」の選び方、そして職種別の合格率データ(独自分析)まで。現役指導士が教える、一発合格への最短ロードマップです。

最近、今後のキャリアも考えて『心臓リハビリテーション指導士』を取得しようと考えているんだけど、何から始めたらいいかわからなくて…。

確かに、受験資格も複雑だし、『10症例の報告』もあるから最初はすごくハードルが高く感じるよね。 でも大丈夫!今回は、現役指導士の僕が『受験資格の落とし穴』から『最短ルートで合格するためのロードマップ』までを徹底的に解説していくよ!
- 絶対に確認すべき受験資格「4つの壁」と落とし穴
- 最大の難関「症例報告(10症例)」攻略のコツ
- 直近5年間の独自データ!職種別の「合格率」
- 一発合格するための「勝利の勉強スケジュール」
はじめに
心臓リハビリテーション指導士(心リハ指導士)は、心リハに関わる医療職にとっての「プラチナチケット」です。取得することで、専門知識の証明になるだけでなく、施設基準(診療報酬)に関わるため、昇給や転職にも圧倒的に有利になります。
今回は、受験資格の落とし穴から、独自分析した合格率データまで、これから受験を目指す方が知っておくべき情報を全てまとめました!
心臓リハビリテーション指導士とは?
日本心臓リハビリテーション学会が認定する専門資格です。医師、看護師、PT/OT、薬剤師など、多職種が取得可能な「チーム医療」の象徴とも言える資格です。
【取得できる職種】
- 医師、看護師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師
- 管理栄養士、薬剤師、臨床工学技士
- 臨床心理士、公認心理師、健康運動指導士
「-指導士資格認定試験準拠- 心臓リハビリテーション必携」には、以下のように定義されています。
「心リハに携わる者の知識を標準化し、職域に捕らわれずに心リハを実施できるようにするための者である。」
「-指導士資格認定試験準拠- 心臓リハビリテーション必携」増補改訂版より引用.
また、日本心臓リハビリテーション学会のWebサイトでは以下のように示されています。
「包括的心臓リハビリテーション実施に必要な知識と技術を有し、その理念を理解するものを日本心臓リハビリテーション学会認定心臓リハビリテーション指導士として認定し、心疾患の治療・予防に種々の職域の者の積極的な参加を可能とし、普遍的な包括的心臓リハビリテーションの定着を期待するものである。」
つまり、医師、看護師、理学療法士など、心リハに携わる多職種が「専門職として標準化された質の高い心リハを提供できる」ことを証明するための認定資格です。
【重要】受験資格「4つの壁」
ここが最初の難関です。「受けようと思ったのに受けられない!」という悲劇を防ぐために、必ず確認してください。

- 対象資格(PT、Nsなど)を持っていること
- 指定の講習会を「当該年度」に受講していること
- 心リハの実務経験が「1年以上」あること
- 【要注意】学会に「2年以上継続して」在籍していること
具体的には、心臓リハビリテーション学会では、以下のように示されています。
心臓リハビリ指導士資格認定試験を受験する者は、
- 本委員会主催の講習会を当該年度に受講していること
- 医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技師、
臨床心理士、公認心理師、作業療法士、あるいは健康運動指導士のいずれかの資格を有していること。- 申請時に本学会会員であり、申請時の直近2年以上継続して会員歴があること
- 心臓リハビリ指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリ研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること。
以上の4条件を満たす必要があります。また、受験申請の際には10例の症例報告(自験例報告)を提出する必要があります。そのうえで、書類記載の誤りや会費納入状況を調査して受験許可をします。
日本心臓リハビリテーション学会: https://www.jacr.jp/jacrreha/system/rule/
特に「申請時の直近2年以上継続した会員歴」が落とし穴です。「今年受験したい!」と思って慌てて入会しても、実際に受験できるのは2年後になってしまいます。
「いつか受けたいな」と思っている方は、まずは今すぐ学会への入会手続きだけ済ませておくことが最優先です!
上記の条件に加え、受験申請の際には「10例の症例報告(自験例報告)」を提出する必要があります。
※詳細は必ず日本心臓リハビリテーション学会の公式HPで最新の規則を確認してください。
最大の難関!「症例報告(10症例)」
筆記試験の前に立ちはだかるのが、10人分の症例報告書です。以下の7つの疾患群から選定します。
【対象疾患群】
- 急性心筋梗塞
- 狭心症
- 開心術後(CABG、弁膜症など)
- 大血管疾患(大動脈解離、解離性大動脈瘤、大血管術後)
- 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVI)後
- 慢性心不全
- 末梢動脈閉塞性疾患(ASOなど)
「10症例すべて心筋梗塞」など、疾患が偏りすぎていると審査が通りにくい場合があります。また、退院時のデータ(退院時処方やCPX結果など)が揃っていないと書けません。
早め(前年の冬頃)からカルテを見返し、バランスよく、データが揃っている症例をピックアップしておくことが合格への最大の鍵です。
認定試験(筆記)の概要と勉強法
「どのくらい難しいの?」という疑問に答えるため、直近5年間の試験データを独自に分析しました。

試験の形式と難易度
試験形式は、筆記試験で50問/60分の設問に対し、五者択一、一部2問選択のマークシート方式となっています。私が受験した試験では、2択問題が10問ほどありました。
難易度は「中等度」と考えられます。ここ5年間の合格率データを見てみましょう。
- 平均合格率: 約75.47%(5年間平均)
- 推移: 年度によって合格率に約10ポイントの差があり、決して油断できない試験です。
職種別合格率(5年平均)
職種によって合格率にかなり差があります。
| 職種 | 平均合格率 | 最小値 | 最大値 |
|---|---|---|---|
| 医師 | 99.6 % | 99.2 % | 100 % |
| 薬剤師 | 94.6 % | 88.9 % | 100 % |
| 臨床検査技師 | 82.7 % | 66.7 % | 100 % |
| 理学療法士 | 72.6 % | 66.5 % | 79.3 % |
| 管理栄養士 | 68.3 % | 50.0 % | 100 % |
| 作業療法士 | 61.8 % | 55.8 % | 70.0 % |
| 看護師 | 48.9 % | 34.8 % | 62.3 % |
| 健康運動指導士 | 48.8 % | 33.0 % | 60.0 % |
💡 分析:医師や薬剤師が高い一方、看護師や健康運動指導士の合格率は50%を切っています。「運動生理学」や「薬理学(心不全の薬など)」といった、普段自分の職種では馴染みのない分野もしっかり対策する必要があります。
おすすめの勉強スケジュール
試験は例年7月の第3週(海の日あたり)に行われます。そこから逆算した「勝利のスケジュール」はこれです!
まだ余裕があるこの時期に、10症例のカルテ整理と執筆を始めます。「あと1例、心不全の人が足りない!」と春先に焦らないように、早めの準備がカギです。
症例報告を無事に提出したら、すぐに筆記試験対策へシフト!公式テキストである『心臓リハビリテーション必携』を読み込み始めましょう。
過去問(講習会テキスト等の模擬問題)を解きまくります。自分の職種では苦手な分野(薬剤、CPXの解釈、心電図など)を重点的に復習して本番へ挑みます!
必須テキストの購入方法
試験問題のほとんどは、公式テキストである「心臓リハビリテーション必携」から出題されます。 学会HPでも以下のように示されています。
日本心臓リハビリテーション学会ホームページの「心臓リハビリ指導士養成カリキュラム」、関連学会のガイドライン、心臓リハビリテーション必携などから、マルチプルチョイス方式で出題されます。
講習会ではテキスト「心臓リハビリテーション必携」を使用します。販売は事務局等で扱っていますので、講習会・試験の前に購入することをお勧めいたします。
日本心臓リハビリテーション学会: https://www.jacr.jp/jacrreha/beginner/
試験勉強に必須となるテキスト「心臓リハビリテーション必携」は、Amazon等の一般書店では取り扱われていません。 以下の学会公式サイトからのみ購入可能です。
👉 購入はこちら:日本心臓リハビリテーション学会 図書購入ページ
さいごに

ここまでご覧いただきありがとうございます。
今回は、心リハ指導士の資格試験の概要から合格へのロードマップについて解説しました。
心リハ指導士は、決して簡単な試験ではありませんが、「必携」を信じて計画的に進めれば必ず合格できる試験です。 特に「症例報告」は早め早めの準備が命です。
この記事を読んでくださった皆さんが無事に合格し、同じ『指導士』として現場で会えることを楽しみにしています!
今後は当ブログで『指導士試験の模擬問題・対策解説』も公開していく予定ですので、ぜひブックマークしてチェックしてくださいね!
急性期病院に勤務する現役理学療法士(臨床経験6年)。心臓リハビリテーション指導士の資格を活かし、若手セラピストが「明日からすぐ使える」実践的な知識を分かりやすく発信中!データ分析や医療AIにも関心があります。
CPXや循環器リハビリ、医療×AIに関する情報など、明日からの臨床の疑問を解決するヒントを日々ポストしています。
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