【心リハ指導士 試験対策①】解剖・生理学の必須ポイントと模擬問題(冠動脈・刺激伝導系)

心リハ指導士 試験対策・過去問
この記事の概要

心リハ指導士試験の勉強、どこから手をつければいいか迷っていませんか?本記事では、公式テキスト「必携」の総論から、絶対に落とせない「循環器の解剖・生理学(冠動脈・弁・刺激伝導系)」の要点を図解で徹底解説。最後にオリジナル模擬問題(解答付き)も用意しているので、隙間時間の試験対策に最適です!

こ~だい
こ~だい

心リハ指導士の勉強を始めたいんだけど、公式テキスト(必携)の最初の方って解剖とか生理学ばかりで、どこを重点的に覚えればいいか分からないよ…。

ゆ~き
ゆ~き

確かに、基礎となる部分は覚えることが多いから最初は大変だよね。
でも、テキストをただ網羅的に丸暗記するのではなくて、『試験で問われやすく、かつ臨床で必要な知識』に絞って理解することが重要なんだ。

今日は、試験によく出るポイントと、臨床で役立つ『解剖学・生理学の基本』を整理して解説するね!最後にオリジナルの模擬問題も用意したよ!

こ~だい
こ~だい

それは助かる!よろしくお願いします!

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✓ 3分でわかる!この記事のポイント
  • 絶対に暗記!冠動脈の3本の枝と「支配領域(灌流域)」
  • 4つの心臓弁の構造(二尖弁はどれ?)
  • 刺激伝導系の順番と「補充調律」の心拍数レート
  • 知識を定着させる「オリジナル模擬問題(4問)」

はじめに

心リハ指導士試験のための勉強を始めてみて、覚える量の多さに辟易している方が多いかと思います。この記事では、これから受験する方向けに、循環器系の解剖や機能の基本部分についてピックアップして解説します。

今回、主に参考にした図書は、「2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」と、日本心臓リハビリテーション学会が出版している「-指導士認定試験準拠- 心臓リハビリテーション必携 増補改訂版」です。

また、他の参考書に手を出すよりも、この「必携」を徹底的に読み込むことが合格への近道です。

試験勉強に必須となるテキスト「心臓リハビリテーション必携」は、Amazon等の一般書店では取り扱われていません。 以下の学会公式サイトからのみ購入可能です。

👉 購入はこちら:日本心臓リハビリテーション学会 図書購入ページ

心臓の解剖と機能(必須暗記ポイント)

心臓の解剖と機能については、必ず出題される単元になってます。この基本的な知識がなければ症候や病態、今後行う運動療法の応用についても理解ができなくなってしまいます。ポイントを絞って解説するので必ず覚えておきましょう。

冠動静脈の走行と支配領域

冠動脈は、冠動脈起始部から右冠動脈(RCA)、左冠動脈に分岐して、左冠動脈から左前下行枝(LAD)、左回旋枝(LCX)の2本の枝に分岐します。

冠動脈の名称 主な支配領域(灌流域) 割合(目安)
右冠動脈
(RCA)
右心室、左心室下壁、下部心室中隔、右心房、洞結節、房室結節 約 25〜35%
左前下行枝
(LAD)
心室中隔(前2/3)、左心室前壁、心尖部 約 40%
左回旋枝
(LCX)
左心室側壁、後壁、左心房 約 25〜35%

※灌流域の配分は個人差が大きく、後下行枝を「右冠動脈」が走行する型を右型(約90%)、「左回旋枝」が走行する型を左型(約10%)といいます。

冠静脈は、心筋から血液を受け取って冠動脈と伴走し、左房室間溝にある「冠静脈洞」に流入して右心房に戻ります。 最も大きい大心臓静脈は、前室間溝を「左前下行枝」と伴走して上行したのち、左房室間溝を「左回旋枝」と伴走して冠静脈洞に流入します。

心臓弁

心臓には房室弁(僧帽弁、三尖弁)、半月弁(大動脈弁、肺動脈弁)4つの弁があります。これら弁は、心臓の収縮弛緩に対応して開閉し、血流を一方向に定めて逆流を防いでくれています。

⚠️ 試験の頻出ポイント!

  • 4つの弁のうち、「僧帽弁(前尖と後尖)」のみが二尖弁であり、他の3つは三尖弁構造です。
  • 弁が閉じなくなって血液が逆流する状態を「閉鎖不全症(逆流症)」、開きにくくなって血液が通りにくくなる状態を「狭窄症」といいます。

刺激伝導系

刺激伝導系は、特殊心筋と呼ばれる細胞群で構成されています。

伝導の順番は、「洞房結節 → 房室結節 → ヒス束 → 右脚・左脚 → プルキンエ線維」です。

刺激伝導系の全ての細胞は自ら電気を作る力(自動能)を持っています。通常は最もレートが速い洞結節(100~120回/分)がペースメーカーとなって「正常洞調律」を作ります。 上位の刺激伝導系が障害された場合は、下位の伝導系がより遅いレートで「補充調律」を形成して心停止を防ぐ安全機構が備わっています。

  • 洞結節: 100~120 回/分
  • 房室接合部調律: 40~50 回/分
  • 固有心室調律: 30~40 回/分

冠循環と心筋酸素消費量

心臓は絶え間なく動くために大量のエネルギー(ATP)を必要とします。このATPは、心筋細胞内の「ミトコンドリア」における酸化的リン酸化により作られ、多量の酸素が消費されます。 心筋の酸素消費量は、安静時でも全体の70%(他の臓器は約25%)に及びます。

⚠️ 試験の頻出ポイント!

他の臓器は心臓の「収縮期」に血液が多く流れますが、左冠動脈領域は「拡張期」に最も多く血液が流れるという特徴があります(※収縮期は心筋が分厚くなり血管が圧迫されるため)。

無気的代謝と有気的代謝

エネルギー代謝(解糖系やTCA回路)の機序については、以下の記事で詳細に解説しています。CPXの解釈で必須となる知識ですので、必ず併せてご覧ください。

模擬問題に挑戦!(全4問)

ここまで学んだ知識を定着させるため、実際の試験を想定したオリジナル模擬問題に挑戦してみましょう。
「解答を見る」をタップすると答えが表示されます。

問題1:冠動静脈の走行と支配領域

次のうち、誤っているものを選びなさい。

  1. 前室間溝には左前下行枝が走行し、後室間溝には後下行枝が走行する。
  2. 灌流域の広さは左前下行枝が左室の25-35%、右冠動脈と左回旋枝が40%である。
  3. 左房室間溝は左回旋枝に伴走して心臓後面に回る。右冠動脈は右心室と下部心室中隔を、左回旋枝は左心室側壁と後壁を灌流している。
  4. 後下行枝を右冠動脈が走行する場合は右型、左回旋枝が走行する場合は左型とよぶ。
👉 解答と解説を見る(タップで開閉)
正解:b
【解説】灌流域の広さは「左前下行枝」が最も広く(約40%)、「右冠動脈」と「左回旋枝」がそれぞれ約25-35%となります。
問題2:心臓弁

次のうち、二尖弁であるものを選びなさい。

  1. 肺動脈弁
  2. 大動脈弁
  3. 僧帽弁
  4. 三尖弁
  5. 適当なものはない
👉 解答と解説を見る(タップで開閉)
正解:c
【解説】4つの心臓弁のうち、左心房と左心室の間にある「僧帽弁」のみが二尖弁(前尖と後尖)の構造をしています。
問題3:冠循環と心筋酸素消費量

次のうち、誤っているものを選びなさい。

  1. 大動脈は半月弁と呼ばれる弁構造をしている。
  2. 上位の刺激伝導系が障害された場合は下位の伝導系がより遅いレートで補充調律を形成する安全機構ができている。
  3. 心筋では多量のATP産生はミトコンドリアで酸化的リン酸化により行われる。
  4. 冠循環では、拡張期の血流は少なく収縮期に多く血流が流れる。
  5. 心筋酸素消費量を規定する因子は、心拍数、心筋収縮性、心室壁張力である。
👉 解答と解説を見る(タップで開閉)
正解:d
【解説】左冠動脈の血流は、心筋が収縮して血管が圧迫される「収縮期」に減少し、心筋が弛緩する「拡張期」に最も多く流れるという特徴があります。
問題4:無気的代謝と有気的代謝

次のうち、正しいものを選びなさい。

  1. 無気的代謝と有気的代謝は密接に関連しており、純粋な無酸素運動や有酸素運動は存在しない。
  2. 有酸素運動は、一般的にピルビン酸が蓄積せずに長時間持続できる範囲の運動強度のことを言う。
  3. ATP-PCr系はピルビン酸1分子の分解で38分子のATPが生成される。
  4. 解糖系では、細胞内のミトコンドリアでATPが生成される。
  5. 運動が長時間に及ぶと有機的に使われるたんぱく質の比率が高くなり、エネルギー効率が高くなる。
👉 解答と解説を見る(タップで開閉)
正解:a
【解説】b:蓄積するのは「乳酸」。c:38分子のATPが生成されるのは「有気的代謝」。d:解糖系が行われるのはミトコンドリアではなく「細胞質」。
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さいごに

ゆ~き
ゆ~き

ここまでご覧いただきありがとうございます。

今回は、循環器の解剖・機能の必須ポイントについてまとめてみました。

解剖や機能については基礎となる部分ですが、複雑でわかりにくいところも多いと思います。このブログでは、わかりやすく図解してイメージが付きやすいように解説していますので、何度も見返してくださいね。

模擬問題は、通勤中の電車やちょっとした隙間時間にスマホで解くのに最適です。ぜひ活用して、理解と知識の定着を図っていただければ幸いです。

この学びが、皆さんの心リハ指導士試験合格への一助となることを祈っています!次回以降も模擬問題を追加していくので、ブックマークをお忘れなく!

ゆ~き
ゆ~き / 理学療法士・心リハ指導士

急性期病院に勤務する現役理学療法士(臨床経験6年)。心臓リハビリテーション指導士の資格を活かし、若手セラピストが「明日からすぐ使える」実践的な知識を分かりやすく発信中!データ分析や医療AIにも関心があります。

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CPXや循環器リハビリ、医療×AIに関する情報など、明日からの臨床の疑問を解決するヒントを日々ポストしています。
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参考文献

  • 日本心臓リハビリテーション学会(2022).「-指導士資格認定試験準拠- 心臓リハビリテーション必携」増補改訂版.p2-22.
  • 日本循環器学会/日本心臓リハビリテーション学会(2021).「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」.https://www.jacr.jp/cms/wp-content/uploads/2015/04/JCS2021_Makita2.pdf.

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