「この患者さん、今日リハビリしていい?」「運動中のこの変化、止めるべき?」と迷っていませんか。本記事では、心リハ指導士が2021年改訂版ガイドラインをもとに、心臓リハビリの禁忌と中止基準を整理しました。全疾患に共通する基準と、心不全・急性心筋梗塞・心臓手術後・大動脈解離・心房細動など疾患ごとのチェックポイントを、一覧表で見比べられる保存版です。

最近、担当する患者さんが増えてきたんだけど、心不全もあって、心房細動もあって、CABG後で……みたいな人が多くて。どの基準を見ればいいのか、頭がこんがらがっちゃうんだよね。

わかる!疾患ごとに基準を覚えても、実際の患者さんは複数の病気を持っていることが多いもんね。
今回は、全部の疾患に共通する「土台の基準」と、疾患ごとに「特に注意して見るポイント」を分けて整理してみるよ。迷ったときにこのページだけ見れば確認できるようにまとめたから、ブックマークしておいてね!

それは助かる!よろしくお願いします!
- 「禁忌」は始める前、「中止基準」は運動している最中の判断に使う
- 全疾患に共通する基準は、ガイドラインの表24(禁忌)と表25(中止基準)の2つ
- 相対的中止基準が2つ以上同時に出たら、すぐに中止
- 疾患ごとに「特に見るポイント」が違うので、早見表で確認する
はじめに
心臓リハビリテーション(心リハ)では、「運動の効果」と「運動のリスク」を常にてんびんにかけながら進めます。そのときの判断のよりどころになるのが、禁忌と中止基準です。
このブログでは、これまで心不全・急性心筋梗塞・CABG・大動脈解離など、疾患ごとにリハビリの記事を書いてきました。ただ、実際の臨床では一人の患者さんが複数の病気を持っていることが多く、「結局どの基準を優先すればいいの?」と迷う場面も少なくありません。
そこで今回は、それぞれの記事で解説してきた禁忌・中止基準を、1ページで見比べられるように整理しました。
なお、本記事は主に『2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン』(以下、ガイドライン)をもとに作成しています。大動脈解離の基準は『2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン』によります。実際の判断にあたっては、所属施設の基準と主治医の指示を必ず優先してください。
「禁忌」と「中止基準」の違い
まずは、2つの言葉の違いを整理しておきましょう。ここがあいまいだと、基準をいくら覚えても使いこなせません。
| 禁忌 | 中止基準 | |
|---|---|---|
| いつ使うか | リハビリを始める前 | 運動をしている最中 |
| 何を判断するか | 「今日、この運動をしてよいか」 | 「この運動を続けてよいか」 |
| 主に見るもの | 病態・前日からの変化・検査結果 | 自覚症状・バイタルサイン・心電図 |
さらに、どちらも「絶対的」と「相対的」の2段階に分かれています。
- 絶対的:原則として運動を行わない(中止する)
- 相対的:リスクと効果をてんびんにかけ、主治医と相談して判断する(負荷を下げる・様子を見るなど)

「相対的禁忌=やってはいけない」ではないのがポイントだよ。主治医と相談したうえで、負荷を落として実施するケースも多いんだ。
【全疾患共通①】積極的な運動療法が禁忌となる疾患・病態
ガイドラインでは、全ての心血管疾患に共通する禁忌が表24にまとめられています。
- 不安定狭心症、または閾値の低い(平地のゆっくり歩行[2 MET]で誘発される)心筋虚血
- 過去3日以内の心不全の自覚症状(呼吸困難、易疲労感など)の増悪
- 血行動態異常の原因となるコントロール不良の不整脈(心室細動、持続性心室頻拍)
- 手術適応のある重症弁膜症、とくに症候性大動脈弁狭窄症
- 閉塞性肥大型心筋症などによる重症の左室流出路狭窄
- 急性の肺塞栓症、肺梗塞および深部静脈血栓症
- 活動性の心筋炎、心膜炎、心内膜炎
- 急性全身性疾患または発熱
- 運動療法が禁忌となるその他の疾患(急性大動脈解離、中等症以上の大動脈瘤、重症高血圧※1、血栓性静脈炎、2週間以内の塞栓症、重篤な他臓器疾患など)
- 安全な運動療法の実施を妨げる精神的または身体的障害
- 重篤な合併症のリスクが高い発症2日以内の急性心筋梗塞※2
- 左冠動脈主幹部の狭窄
- 無症候性の重症大動脈弁狭窄症
- 高度房室ブロック
- 血行動態が保持された心拍数コントロール不良の頻脈性または徐脈性不整脈(非持続性心室頻拍、頻脈性心房細動、頻脈性心房粗動など)
- 最近発症した脳卒中(一過性脳虚血発作を含む)
- 運動負荷が十分行えないような精神的または身体的障害
- 是正できていない全身性疾患(貧血、電解質異常、甲状腺機能異常など)
- 高齢者
- 左室駆出率低下
- 血行動態が保持された心拍数コントロール良好な不整脈(心房細動、心房粗動など)
- 静注強心薬投与中で血行動態が安定している患者
- 補助人工心臓(LVAD)、心臓植込み型デバイス(ペースメーカ、ICD、CRT-Dなど)装着
※1:原則として収縮期血圧>200 mmHg、または拡張期血圧>110 mmHg、あるいはその両方
※2:貫壁性の広範囲前壁心筋梗塞、ST上昇が遷延するものなど
(出典:ガイドライン 表24 より作成)
見落としやすいのは「禁忌でないもの」
臨床で意外と大事なのが、最後の「禁忌でないもの」です。
「高齢だから」「EF(左室駆出率)が低いから」「強心薬の点滴をしているから」という理由だけで、運動療法をためらう必要はありません。これらは、状態が安定していれば禁忌ではないと明記されています。過度に慎重になって運動の機会を奪ってしまうと、廃用(体力の低下)が進み、かえって予後を悪くすることもあります。
筋トレ(レジスタンストレーニング)には別の禁忌がある
有酸素運動とは別に、レジスタンストレーニングには次の禁忌が示されています。
| 絶対禁忌 | 相対禁忌 |
|---|---|
| ・不安定狭心症 ・代償されていない心不全 ・コントロールされていない不整脈 ・重篤な肺高血圧症 (平均肺動脈圧>55 mmHg) ・重症で症状のある大動脈弁狭窄症 ・急性心筋炎・心内膜炎・心外膜炎 ・コントロールされていない高血圧 (>180/110 mmHg) ・急性大動脈解離 | ・冠動脈疾患の主要な危険因子 ・糖尿病 ・コントロールされていない高血圧症 (>160/100 mmHg) |
また、胸骨正中切開術後の上肢の筋トレは、術後10〜12週後から開始するとされています。
【全疾患共通②】運動療法実施中の中止基準
運動中の判断に使うのが、ガイドラインの表25です。
- 患者が運動の中止を希望
- 運動中の危険な症状を察知できないと判断される場合や、意識状態の悪化
- 心停止、高度徐脈、致死的不整脈(心室頻拍・心室細動)の出現、またはそれらを否定できない場合
- バイタルサインの急激な悪化や自覚症状の出現(強い胸痛・腹痛・背部痛、てんかん発作、意識消失、血圧低下、強い関節痛・筋肉痛など)を認める
- 心電図上、Q波のない誘導に1 mm以上のST上昇を認める(aVR、aVL、V1誘導以外)
- 事故(転倒・転落、打撲・外傷、機器の故障など)が発生
- 同一運動強度または運動強度を弱めても、胸部自覚症状やその他の症状(低血糖発作、不整脈、めまい、頭痛、下肢痛、強い疲労感、気分不良、関節痛や筋肉痛など)が悪化
- 経皮的動脈血酸素飽和度(SpO₂)が90%未満へ低下、または安静時から5%以上の低下
- 心電図上、新たな不整脈の出現や1 mm以上のST低下
- 血圧の低下(収縮期血圧<80 mmHg)や上昇(収縮期血圧≧250 mmHg、拡張期血圧≧115 mmHg)
- 徐脈の出現(心拍数≦40/min)
- 運動中の指示を守れない、転倒の危険性が生じるなど、運動療法の継続が困難と判断される場合
(出典:ガイドライン 表25 より作成)
「相対的」でも2つ重なったら即中止
ここは試験でも臨床でも重要なポイントです。ガイドラインでは、相対的中止基準のうち2項目以上が同時に出現した場合は、絶対的中止基準と同等と判断し、ただちに運動を中止すべきとされています。
例えば「SpO₂が安静時から5%以上下がった」と「新しい不整脈が出た」が同時に起きたら、相対的基準であっても迷わず中止です。
心拍数・血圧の基準が「そのまま使えない」患者さんもいる
ガイドラインでは、次のような注意点も挙げられています。
- β遮断薬を飲んでいる人・心房細動の人・ペースメーカを入れている人:心拍数を目標や中止の目安にする方法が、うまく機能しにくい
- 大血管疾患(大動脈解離・大動脈瘤など)や、心筋の肥大を伴う疾患:血圧の基準をより厳しくする必要がある
つまり、表25はあくまで「全疾患共通の最低ライン」です。次の早見表で、疾患ごとの注意点を上乗せして考えましょう。

心拍数が使いにくい患者さんでは、Borg指数(自覚的運動強度)や自覚症状の変化を、いつも以上にていねいに確認しよう!
【早見表】疾患別の禁忌・中止基準一覧
「全疾患共通の基準(表24・表25)」に加えて、疾患ごとに特に確認したいポイントをまとめました。詳しくは、この後の「疾患別のポイント」と、それぞれの記事で解説しています。
| 疾患 | 始める前に特に確認すること | 運動中に特に見ること |
|---|---|---|
| 心不全 | 過去3日以内の自覚症状の増悪(絶対禁忌)、1週間以内の2 kg以上の体重増加・NYHA IV度(相対禁忌) | 自覚症状の悪化(疲労・めまい・発汗・呼吸困難)、うっ血所見 |
| 急性心筋梗塞(入院中) | ステージアップ判定基準を満たしているか | 心拍数120/min以上・40/min以上の増加、1 mm以上の虚血性ST低下 |
| 心臓手術後 (CABG・弁膜症) | 離床開始基準(低心拍出量症候群がないか等) | Borg>13、心拍数30/min以上の増加、SpO₂ 90%以下 |
| TAVI後 | 穿刺部の血腫・出血、房室ブロック | 新たな房室ブロック・不整脈、自覚症状 |
| 大動脈解離(保存的治療) | 開始基準(RASS、呼吸、血圧・心拍コントロール、発熱) | 運動中の心拍数≧100/min、収縮期血圧>140 mmHg |
| 閉塞性動脈硬化症 | 重症下肢虚血に感染を合併、急性動脈閉塞、重篤な合併症がないか | 下肢痛の程度、心血管系の症状 |
| 心房細動 | 安静時心拍数110/min未満か | 運動中の心拍数150/min以下、自覚症状 |
| ペースメーカ・ICD | 創部・リード位置、心不全、致死性不整脈のコントロール | ICDは「VTゾーン−10〜15/min」を心拍数の上限に |
| 肺高血圧症 | 薬物治療で循環動態が安定しているか | SpO₂・心拍数、失神・前失神・上室頻拍 |
疾患別のポイント
早見表の中身を、もう少し詳しく見ていきます。
心不全
心不全に特化した禁忌は、ガイドラインの表33にまとめられています。表24とほぼ同じですが、相対禁忌に「NYHA心機能分類IV度」と「過去1週間以内における自覚症状増悪や体重の2 kg以上の増加」が入っているのが特徴です。
体重の急な増加は、体に水がたまっている(うっ血)サインです。リハビリ前に、毎日の体重の推移を確認する習慣をつけましょう。

急性心筋梗塞(入院中)
入院中のリハビリは、負荷を少しずつ上げながら進めます。次の段階に進んでよいかは、表28のステージアップ判定基準で判断します。
- 胸痛、呼吸困難、動悸などの自覚症状が出現しないこと
- 心拍数が120/min以上にならないこと、または40/min以上増加しないこと
- 危険な不整脈が出現しないこと
- 心電図上1 mm以上の虚血性ST低下、または著明なST上昇がないこと
- 室内トイレ使用時までは、20 mmHg以上の収縮期血圧の上昇・低下がないこと(発症から2週間以上経過した場合は、血圧の基準は設けない)
また、表24の相対的禁忌には「重篤な合併症のリスクが高い発症2日以内の急性心筋梗塞」が含まれます。

心臓手術後(CABG・弁膜症手術)
手術後の離床は、表39の離床開始基準で「次の状態がないこと」を確認してから始めます。
- 低心拍出量症候群(LOS):人工呼吸器・IABP・PCPSなどの生命維持装置の装着、大量のカテコラミン投与、カテコラミン投与下で収縮期血圧80〜90 mmHg以下、四肢冷感・チアノーゼ、代謝性アシドーシス、尿量0.5〜1.0 mL/kg/h以下が2時間以上
- スワン・ガンツカテーテルが挿入されている
- 安静時心拍数が120/min以上
- 血圧が不安定(体位交換だけで血圧が下がる)
- 血行動態の安定しない不整脈(新たに発生した心房細動、Lown IVb以上の心室期外収縮)
- 安静時の呼吸困難や頻呼吸
- 術後出血傾向が続いている
離床を始めたあとは、次のステップアップ基準を確認しながら進めます。
- 胸痛、強い息切れ、強い疲労感(Borg指数>13)、めまい、ふらつき、下肢痛がない
- チアノーゼ、顔面蒼白、冷汗がない
- 頻呼吸(30回/min以上)がない
- 運動による不整脈の増加や、心房細動へのリズム変化がない
- 運動による虚血性心電図変化、過度の血圧変化がない
- 運動で心拍数が30/min以上増加しない
- 運動で動脈血酸素飽和度が90%以下に低下しない
胸骨正中切開後は、これに加えて胸骨保護(重い物を持たない・上肢に強い負荷をかけない等)への配慮が必要です。


TAVI後
TAVIはカテーテルで行う低侵襲な治療で、合併症がなければ術後翌日から離床を始めることが多いです。ただし、弁の位置の関係で房室ブロックが起こりやすく、ペースメーカが必要になる場合もあります。経大腿動脈アプローチでは、鼠径部の穿刺部の血腫・出血も確認しましょう。

大動脈解離(保存的治療のB型解離)
まず押さえておきたいのは、表24の「急性大動脈解離」は積極的な運動療法の禁忌だということです。大動脈解離では、血圧と心拍数を厳しく管理しながら、離床と日常生活への復帰を目的とした段階的なリハビリプログラムを進めます。
『2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン』では、次の基準が示されています。
- 急性期の管理目標:収縮期血圧100〜120 mmHg、心拍数60/min未満
- 開始基準(表62):覚醒状態(−2≦RASS≦1)、呼吸(呼吸回数35回/min未満、SaO₂ 90%以上、FiO₂<0.6)、血圧・心拍数のコントロール、新たな重症不整脈や心筋虚血を示唆する心電図変化がない、38.5℃以上の発熱がない
- 中止基準(表63):運動療法下で心拍数≧100/min または収縮期血圧>140 mmHg、呼吸数5回/min未満または40回/min以上、SpO₂ 88〜90%(または4%以上の低下)、新たな重症不整脈・心筋虚血を示唆する心電図変化、RASS≦−3 など
- 負荷の合格基準:負荷後の収縮期血圧が140 mmHg以下

閉塞性動脈硬化症(ASO)
ASOでは、症状の重さ(Fontaine分類)によって方針が変わります。
- Fontaine I・II度(軽〜中等度):監視下運動療法が基本
- Fontaine III・IV度(重症下肢虚血):先に血行再建を検討し、その後に運動指導
- 運動療法の禁忌:重症下肢虚血に感染を合併した場合、急性動脈閉塞(塞栓症・血栓症)、重篤な合併症(不安定狭心症、うっ血性心不全、重症大動脈弁狭窄、感染症など)
ASOの患者さんは全身の動脈硬化を背景に持つことが多いため、下肢だけでなく、心臓の症状にも注意しましょう。

心房細動
心房細動では、心拍数の管理が判断の中心になります。
- 始める前:通常、安静時心拍数が110/min未満であれば運動負荷試験を考慮してよいとされています。当日の安静時心拍数が110/minを超えていれば、その日の運動を中止するか、強度を下げる・時間を短くする
- 運動中:心拍数150/min以下の負荷で行うことが推奨されています
- 強度の決め方:心拍数の上がり方は人によって大きく違うため、心拍数での強度設定は困難です。CPXのATで処方するのが望ましく、難しい場合はBorg指数を使います
また、表24では「心拍数コントロール良好な心房細動」は禁忌でないもの、「心拍数コントロール不良な頻脈性心房細動」は相対的禁忌に分類されています。

ペースメーカ・ICD
デバイスを植え込んでいること自体は、禁忌ではありません(表24)。創部の状態やリード位置、心不全、致死性不整脈(VT・VF)のコントロールを確認しながら進めます。
特にICDを植え込んでいる患者さんでは、VT(心室頻拍)と判定されて作動してしまう心拍数(VTゾーン)をあらかじめ確認し、VTゾーンより10〜15/min低い心拍数を運動中の上限にします。心房細動を合併している場合は、運動で心拍数が上がりやすいので特に注意しましょう。

肺高血圧症
肺高血圧症の運動療法は、薬物治療で循環動態が安定してから、心拍数やSpO₂を監視しながら低い強度で行うのが基本です。運動療法の有害事象として、失神、前失神、上室頻拍が報告されています。こうした症状が出た場合は運動を中止し、主治医に報告しましょう。
また、平均肺動脈圧が55 mmHgを超える重篤な肺高血圧症は、レジスタンストレーニングの絶対禁忌です。

迷ったときの考え方|3つのステップ
複数の疾患を持つ患者さんで迷ったときは、次の順番で整理するとスムーズです。
ステップ1:始める前に「禁忌」を確認する
表24(全疾患共通)に当てはまらないかを確認し、持っている疾患それぞれの注意点(早見表)を重ねて見ます。基準が複数ある場合は、より厳しい方を採用するのが基本です。
ステップ2:運動中は「中止基準」で判断する
- 絶対的中止基準に当てはまる → すぐに中止
- 相対的中止基準に当てはまる → 負荷を下げる・休憩を入れるなどして様子を見る
- 相対的中止基準が2つ以上同時に出た → すぐに中止
ステップ3:記録して、主治医や看護師と共有する
中止した理由とそのときのバイタルサインを記録し、主治医や看護師に報告します。「なぜ止めたか」が共有されると、次回以降の運動処方の見直しにつながります。

基準を満たしていても、「なんとなくいつもと様子が違う」と感じたら、無理に進めないことも大切だよ。数値だけでなく、患者さんの顔色や話し方の変化もよく見よう!
心リハ指導士試験で押さえたいポイント
禁忌と中止基準は、心リハ指導士試験でもよく問われる分野です。特に、次のような点を整理しておきましょう。
- 表24の「禁忌でないもの」(高齢者・EF低下・静注強心薬で安定・LVAD/デバイス装着)
- 相対的中止基準が2項目以上同時に出たら、絶対的中止基準と同等
- 急性心筋梗塞のステージアップ判定基準の数値(120/min、40/min、1 mm、20 mmHg、2週間)
- 心臓手術後の離床開始基準とステップアップ基準の違い
よくある質問(FAQ)
Q1. 禁忌と中止基準は、どちらを先に確認すればいいですか?
A. 先に禁忌です。禁忌は「今日リハビリをしてよいか」を決める基準なので、リハビリを始める前に確認します。始めたあとは、中止基準で「続けてよいか」を判断します。
Q2. 相対的禁忌に当てはまる患者さんは、運動できないのですか?
A. 必ずしもそうではありません。相対的禁忌は「リスクと効果をてんびんにかけて判断するもの」です。主治医と相談し、負荷を下げる、監視を強めるなどの条件付きで実施することもあります。
Q3. β遮断薬を飲んでいる患者さんでも、心拍数の基準は使えますか?
A. β遮断薬は心拍数の上昇を抑えるため、心拍数を目標や中止の目安にする方法はうまく機能しにくいとされています。Borg指数や自覚症状、血圧などを合わせて判断しましょう。心房細動やペースメーカの患者さんも同様です。
Q4. 施設の基準とガイドラインの基準が違う場合は、どうすればいいですか?
A. 実際の臨床では、所属施設の基準と主治医の指示を優先してください。ガイドラインは全国共通の目安であり、施設ごとに患者層や体制に合わせて調整されていることがあります。
さいごに

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、心臓リハビリの禁忌と中止基準を、全疾患共通の基準と疾患ごとの注意点に分けて整理しました。
大切なのは、「共通の土台(表24・表25)」の上に「疾患ごとの注意点」を重ねて考えることです。迷ったときは、このページに戻ってきて確認してみてくださいね。
それぞれの疾患について詳しく知りたい方は、記事内のリンクからご覧ください。
急性期病院に勤務する現役理学療法士(臨床経験6年)。心臓リハビリテーション指導士の資格を活かし、若手セラピストが「明日からすぐ使える」実践的な知識を分かりやすく発信中!データ分析や医療AIにも関心があります。
CPXや循環器リハビリ、医療×AIに関する情報など、明日からの臨床の疑問を解決するヒントを日々ポストしています。
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参考文献
- 日本循環器学会,日本心臓リハビリテーション学会.2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン.2021[cited 2026 Oct 10].Available from: https://www.jacr.jp/cms/wp-content/uploads/2015/04/JCS2021_Makita2.pdf
- 日本循環器学会,日本心臓血管外科学会,日本胸部外科学会,日本血管外科学会.2020年改訂版 大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン.2020[cited 2026 Oct 10].Available from: https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/07/JCS2020_Ogino.pdf
※本記事の数値・基準は、記事公開時点のガイドラインに基づく一般的な目安です。実際の臨床判断にあたっては、最新のガイドラインおよび所属施設の基準・主治医の指示を必ずご確認ください。
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