【保存版】心リハ指導士が教える!虚血性心疾患の二次予防について

心リハ・臨床実践
この記事の概要

虚血性心疾患の再発を防ぐ「二次予防」を総まとめになります。心リハ指導士が、血圧・脂質・血糖の厳格な管理目標値から、食事・禁煙・運動療法の具体的指導ポイントまで、2021年版ガイドラインに基づき徹底解説します。

こ~だい
こ~だい

虚血性心疾患の患者さんに再発予防の指導をする時、血圧、脂質、食事…と項目がたくさんありすぎて、『結局何をどこまでやればいいの?』って迷っちゃうんだよね。

ゆ~き
ゆ~き

すごく分かる!数値の基準も細かいから、頭を整理するのが大変だよね。
でも、ここをしっかりマネジメントできるかが、患者さんの寿命を大きく左右するんだ。

今回は、そんな『二次予防』を、心リハ指導士がまるっと分かりやすく解説するよ!

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✓ 3分でわかる!この記事のポイント
  • 心リハ最大の目的は「QOL改善」と「再発予防」
  • 血圧・脂質・血糖の「具体的な数値目標」
  • 迷わない!食事・アルコール・運動の指導ポイント

はじめに

心臓リハビリテーションの最大の目的は、「QOL(生活の質)の改善」「再発(心事故)を防ぎ、長生きすること(予後改善)」です。心筋梗塞などの虚血性心疾患は、一度カテーテル等で治療して良くなったとしても、根本の原因である「生活習慣」が変わらなければ、高確率で再発してしまいます。

ちなみに本投稿は、主に「2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」等を参考に作成しました。

二次予防はいつから始める?

虚血性心疾患の心リハは、以下の3つの時期的区分に分かれています。

①急性期②回復期(前期回復期、後期回復期)③維持期

心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」において、本格的な二次予防の開始時期は「後期回復期以降」とされています。これは急性期・前期回復期は入院中の治療期間であり、まずは退院・家庭復帰への身体機能回復が優先されるためです。

退院後の生活が始まってからこそ、本当の意味での二次予防(生活習慣の修正)がスタートします。

管理すべき「冠危険因子」リスト

冠危険因子には「内因的・遺伝的なもの(年齢、性別、家族歴など)」と「外因的なもの(生活習慣など)」があります。 心リハの主な対象は、努力によって改善可能な「外因的な冠危険因子です。

▼ 徹底管理すべき外因的リスク

  • 高血圧
  • 脂質異常症(高コレステロール)
  • 糖尿病・耐糖能異常
  • 肥満(メタボリックシンドローム)
  • 喫煙
  • 運動不足
  • 精神的ストレス
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具体的な数値目標と指導ポイント

ここからは、プロとして頭に入れておきたい「厳格な管理目標値」です。

血圧管理

再発予防のためには、一般の方よりも低い値を目指します。

対象診察室血圧家庭血圧
75歳未満
(高リスク)
< 130/80 mmHg< 125/75 mmHg
75歳以上
(高リスク)
< 140/90 mmHg< 135/85 mmHg
指導のコツ:モーニングサージに注意

「起床時」の血圧が急激に高い状態(モーニングサージ)は、心血管イベントの危険信号です。病院での測定だけでなく、必ず「朝(起床後)」と「夜(就寝前)」の1日2回の家庭血圧測定を指導しましょう。

脂質管理

LDL(悪玉)コレステロールは、「低ければ低いほど良い(The Lower, The Better)」が鉄則です。

虚血性心疾患の脂質管理
・LDLコレステロール(悪玉): < 70 mg/dL
 ※さらにリスクが高い場合(糖尿病合併など)は < 55 mg/dL を目指すこともあります。
・HDLコレステロール(善玉): ≧ 40 mg/dL
中性脂肪(TG): < 150 mg/dL

血糖・体重・禁煙

  • HbA1c: < 7.0 %
  • BMI: 18.5 ~ 24.9 kg/m²
  • 喫煙: 完全禁煙(受動喫煙も避ける)
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食事指導

「あれもダメ、これもダメ」と制限ばかり伝えても、患者さんのモチベーションは続きません。ポイントを絞って分かりやすく伝えましょう。

▼ 脂質と炭水化物の選び方リスト

分類◎ 積極的に摂りたい△ 控える × 避けるべき
脂質ω-3系脂肪酸
・青魚(サバ、イワシなど)
・えごま油、アマニ油
飽和脂肪酸・トランス脂肪酸
・肉の脂身、バラ肉、鶏皮
・バター、生クリーム
・マーガリン、ショートニング
炭水化物未精製の穀物・食物繊維
・玄米、雑穀米、麦ごはん
・全粒粉パン、ライ麦パン
・野菜、海藻、きのこ
精製糖質
・白砂糖
・甘い菓子パン
・清涼飲料水

▼ アルコール摂取の許容範囲(1日あたり)

再発予防のためには、以下の「いずれか1つ」までを目安にしましょう。(純アルコール換算 20~25g以下)

お酒の種類1日の目安量イメージ
ビール500ml 以下ロング缶 1本
日本酒1合(180ml)以下徳利 1本
ワイン120ml 以下グラス 1杯強
焼酎(25度)100ml 以下グラス半分
ウイスキー60ml 以下ダブル 1杯

※必ず週に2日以上の「休肝日」を設けるよう指導しましょう。

※計算式:飲酒量(ml) × 度数(0.xx) × 0.8 ≒ 純アルコール量(g)

運動療法

運動療法については、以下の記事で「急性心筋梗塞のリハビリ」として詳しく解説しています。

👉 あわせて読みたい:【保存版】これで安心 — 心リハ指導士が教える急性心筋梗塞(AMI)のリハビリテーション

【前編】急性心筋梗塞のリハビリ完全ガイド|病態・合併症・ステージ分類を心リハ指導士が解説
急性心筋梗塞(AMI)の心リハに必要な基礎知識を総まとめ【前編】。STEMI/NSTEMIの違い、PCI後の合併症リスク、急性期から維持期までのリハビリテーションの流れ(ステージ分類)を、心リハ指導士がガイドラインに基づき解説します。

外来通院期間(約2~5ヶ月)は監視下で安全に行い、最終的には維持期に向けて「自分一人でも適切な運動ができる(自己管理)」状態を目指して指導を行います。

また、「うつ・不安」は心臓の予後を悪化させる隠れたリスクです。「眠れていますか?」「気分は落ち込んでいませんか?」と声をかけ、必要なら専門家へつなぐことも、私たちの大切な役割です。

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さいごに

ゆ~き
ゆ~き

最後までご覧いただきありがとうございます。

今回は、症状改善だけでなく「長期的な再発予防(二次予防)」の視点から、血圧・脂質・血糖・食事・運動など包括的なマネジメントの重要性を解説しました。

退院後の生活こそが、心臓を守るための本番です。 この記事が、皆さまの臨床実践におけるガイドとなり、患者さん一人ひとりが豊かな日常を取り戻し、維持していく一助となれば幸いです。

ゆ~き
ゆ~き / 理学療法士・心リハ指導士

急性期病院に勤務する現役理学療法士(臨床経験6年)。心臓リハビリテーション指導士の資格を活かし、若手セラピストが「明日からすぐ使える」実践的な知識を分かりやすく発信中!データ分析や医療AIにも関心があります。

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参考文献

  • 2021年改訂版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン, 2021.
  • 「-指導士資格認定試験準拠- 心臓リハビリテーション必携」増補改訂版, pp168-177, 321-334, 2022.
  • 高血圧治療ガイドライン2019, 2019.
  • Gang wu et al:The Effect of Cardiac Rehabilitation on Lipid Levels in Patients with Coronary Heart Disease. A Systematic Review and Meta-Analysis, 2022.
  • 樋口 進, 他:健康日本21推進のためのアルコール保健指導マニュアル, 2003.
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